抜け毛が増えてくると、「これは自然な現象なのか、それとも病気のサインなのか」と不安になり、病院へ行くべきかどうかの判断に迷う方は少なくありません。皮膚科や専門クリニックを受診する前に、自分でできるチェックポイントを知っておくことで、適切なタイミングで行動を起こすことができます。まず、最も分かりやすい基準は「抜け毛の本数」です。一般的に一日の抜け毛は100本以内が正常範囲とされていますが、毎日200本を超えるような状態が2週間以上続く場合は、専門医への相談を検討すべきでしょう。特に、シャンプー時だけで100本以上抜ける日が続く場合は、注意が必要です。ただし、本数だけに囚われるのは危険です。次に重要なのが「抜け毛の質とパターン」です。抜けた髪の毛が全体的に細く弱々しくなっている、あるいは前頭部の生え際や頭頂部の髪の毛ばかりが選択的に抜けている場合は、AGA(男性型脱毛症)の可能性が考えられます。AGAは進行性のため、自己判断で放置せず、早期に専門医の診断を受けることが極めて重要です。また、女性の場合、髪全体が均等に薄くなる「びまん性脱毛症」という症状もあります。これも、ホルモンバランスの乱れや栄養不足が原因であることが多く、専門的な治療が必要となる場合があります。さらに、「頭皮の状態」も重要な判断材料です。抜け毛と同時に、強いかゆみ、大量のフケ、頭皮の赤みや湿疹、痛みなどを伴う場合は、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎といった頭皮の病気が原因である可能性が高いです。これらの皮膚疾患は、放置すると頭皮環境を悪化させ、さらなる抜け毛を引き起こすため、早急な治療が求められます。円形脱毛症のように、ある日突然、コイン大の脱毛斑が現れた場合も、迷わず皮膚科を受診してください。自己免疫疾患の一つであり、ストレスが引き金となることもありますが、適切な治療が必要です。これらのチェックポイントに一つでも当てはまる場合は、一人で悩まず、勇気を出して専門医のドアを叩きましょう。専門医は、あなたの抜け毛の原因を科学的に診断し、最適な治療法や生活指導を提案してくれます。早期の受診が、あなたの髪と心の健康を守るための最善の一手となるのです。