AGA(男性型脱毛症)は治る?治療のゴールと限界

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男性の薄毛の主な原因であるAGA(男性型脱毛症)は、「治る」という言葉をどのように捉えるかによって、その答えが変わってきます。もし、「AGAの体質そのものが完全に消え去り、治療なしでも二度と薄毛が進行しない状態になる」という意味での「治癒」を期待しているのであれば、残念ながら現在の医療では難しいと言わざるを得ません。AGAは、遺伝的要因と男性ホルモンの影響によって引き起こされる進行性の脱毛症であり、その根本的な体質を変えることはできないからです。しかし、「薄毛の進行を抑制し、現状を維持すること」「抜け毛を減らし、髪の毛の密度や太さを改善し、見た目の印象を良くすること」を「治る」と捉えるのであれば、AGAは治療によって十分に改善が期待できる疾患です。AGA治療の主な目的は、薄毛の進行を食い止め、QOL(生活の質)を向上させることです。代表的な治療法である内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や外用薬(ミノキシジル)は、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制したり、毛母細胞を活性化させたりすることで、ヘアサイクルを正常化し、抜け毛を減らし、発毛を促す効果が期待できます。これらの治療を早期に開始し、継続することで、多くの方が薄毛の進行抑制や改善を実感しています。ただし、治療効果には個人差があり、全ての人に同じような結果が現れるわけではありません。また、治療薬の効果は、基本的に服用・使用を継続している間において維持されるものであり、治療を中止すると再びAGAが進行し始める可能性が高いです。これがAGA治療の「限界」の一つと言えるでしょう。AGA治療のゴールは、必ずしも20代の頃のようなフサフサな状態に戻ることだけではありません。自分自身が納得できる状態を目指し、医師と相談しながら、現実的な目標を設定し、長期的な視点で治療に取り組んでいくことが大切です。

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