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肝臓の数値が悪化?ミノキシジル服用で僕が経験したこと
「これで長年のコンプレックスから解放される」。そう信じて、僕はAGA専門クリニックでミノキシジルタブレット(ミノタブ)の処方を受け、服用を開始した。飲み始めて1ヶ月が経つ頃には、シャワー時の抜け毛が減り始め、3ヶ月目には、頭頂部に黒々とした産毛が生えてきたのがはっきりと分かった。その効果は絶大で、僕は鏡を見るのが楽しみになっていた。服用開始から3ヶ月後の定期検診の日、僕は軽い気持ちで採血を受けた。発毛効果を医師に報告するのが楽しみだった。しかし、診察室に入ると、医師の表情は少し硬かった。「髪の毛の状態は非常に良いですね。ただ、血液検査の結果ですが、肝機能の数値、特にALTが少し基準値を超えています」。ALT?聞き慣れない言葉に、僕は戸惑った。医師は、それが肝臓のダメージを示す数値であること、そしてミノキシジルの副作用として起こりうること、自覚症状がなくても注意が必要なことを丁寧に説明してくれた。正直、ショックだった。体調に異変は全く感じていなかったからだ。医師は続けた。「今の段階で服用を中止する必要はありませんが、肝臓への負担を減らすために、今日から服用量を半分にしてみましょう。そして、お酒は好きですか?もし飲んでいるなら、しばらく控えてみてください」。その日から、僕はミノタブの量を半分にし、大好きだった晩酌もきっぱりとやめた。そして、1ヶ月後。再び血液検査を受けると、ALTの数値は基準値内に戻っていた。医師は「良かったですね。この量なら安全に続けられそうです」と、笑顔で言ってくれた。発毛効果は、量を減らしても維持されている。あの時、もし自己判断で個人輸入した薬を飲んでいて、血液検査も受けていなかったら、僕はどうなっていただろう。自覚症状がないのをいいことに、肝臓にダメージを与え続けていたかもしれない。そう思うと、背筋が寒くなった。この経験を通じて、僕は学んだ。薄毛治療は、髪を生やすことだけがゴールではない。健康な体を維持しながら、安全に続けることこそが最も重要であり、そのためには、専門家である医師の客観的な目と、定期的な検査が絶対に不可欠なのだと。