AGA(男性型脱毛症)は、成人男性に最も多く見られる薄毛のタイプであり、その進行パターンにはいくつかの典型的な特徴があります。実際の症例写真などを見ることで、AGAがどのように進行していくのか、そして自分の状態がどの程度なのかを客観的に把握する手がかりになります。AGAの進行パターンとしてよく知られているのが、「ハミルトン・ノーウッド分類」です。この分類では、薄毛の進行度合いをいくつかのステージに分けて示しています。代表的な進行パターンとしては、まず「M字型」が挙げられます。これは、額の左右の生え際、いわゆる剃り込み部分から後退していくタイプで、AGAの初期症状としてよく見られます。進行するとM字の切れ込みが深くなり、前頭部の髪が薄くなっていきます。次に、「O字型(頭頂部型)」です。頭頂部、つむじ周辺から円形に薄毛が広がっていくタイプです。自分では気づきにくい場所であるため、他人から指摘されて初めて自覚するケースも少なくありません。さらに、これらの「M字型とO字型が同時に進行する複合型」も多く見られます。生え際の後退と頭頂部の薄毛が同時に進むため、比較的早い段階で薄毛が目立ちやすくなる傾向があります。また、AGAの症例では、単に髪が抜けるだけでなく、「髪の毛の軟毛化」という特徴も見られます。ヘアサイクルにおける成長期が短縮されるため、髪の毛が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、細く短い、弱々しい毛が増えていくのです。これにより、髪全体のボリュームが失われ、地肌が透けて見えるようになります。これらの進行パターンや特徴は、AGAの診断や治療方針を決定する上で重要な情報となります。多くのAGA専門クリニックでは、様々な進行度の症例写真を公開しており、それらを見ることで、AGAの多様な現れ方や、治療による変化を具体的にイメージすることができます。もし、ご自身の髪の状態がこれらのパターンに当てはまるようであれば、AGAの可能性を考え、早めに専門医に相談することをおすすめします。