私が育毛剤を使い始めたのは、二十六歳の冬でした。きっかけは、エレベーターの防犯カメラの映像に映った自分の頭頂部を見たことでした。「えっ、こんなに薄かったっけ?」と血の気が引く思いでした。それまで髪の量が多い方だと思っていただけに、ショックは計り知れませんでした。家に帰って合わせ鏡で見ると、確かに分け目が以前より広がり、地肌が白く目立っています。ネットで検索しまくり、二十代でも薄毛になること、そして早めのケアが大事なことを知り、誰にも言わずに通販で女性用育毛剤を購入しました。 届いた育毛剤は、化粧品のようなおしゃれなボトルで、洗面台に置いても違和感がなかったことにまずは安堵しました。最初の頃は、半信半疑でお風呂上がりに塗っていました。「こんな水みたいなもので本当に生えるの?」というのが正直な感想でした。一ヶ月目は特に変化なし。むしろ、マッサージをするようになったせいで、弱っていた髪が抜けるのが目につき、怖くなって止めたくなりました。でも、これは「初期脱毛」といって新しい髪が生える準備段階かもしれないと思い直し、信じて続けました。変化を感じ始めたのは三ヶ月目くらいからです。ドライヤーをかけた後の洗面台に落ちる髪の量が、明らかに減っていたのです。そして、分け目の部分に、ツンツンとした短い毛(アホ毛)がたくさん立っているのを見つけました。「生えてきてる!」と確信した瞬間でした。 半年が経つ頃には、以前のような分け目のパックリ感はだいぶ気にならなくなりました。もちろん、十代の頃のような剛毛に戻ったわけではありませんが、髪一本一本にコシが出て、根元が立ち上がるようになったおかげで、全体的にボリュームアップして見えます。何より変わったのは気持ちです。薄毛を気にして下ばかり向いていたのが、自信を持って人と話せるようになりました。美容室に行くのも怖くなくなり、新しい髪型に挑戦する余裕も生まれました。もしあの時、恥ずかしがらずに育毛剤をポチっていなかったら、今頃もっと悩んでいたかもしれません。半年間の継続は決して楽ではありませんでしたが、未来の自分への投資としては最高のものだったと胸を張って言えます。
育毛剤デビューした私の半年間のリアルな記録